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作業療法士の卵である学生さんが、よく不安に思われているのが“臨床実習”。

「指導が厳しい先生だったらどうしよう…。」

「課題が多くてツラいと聞くけどどうなの?。」

特に実習が近くなってくると、このような疑問が不安として出てきます。

もちろん、作業療法士を目指そうとしている方も気になる点ですよね。

今回は、臨床実習の現状を現役OTが紹介していきます。

結論から言うと、学生が負担になる指導をしている時点で、多くの場合指導者に責任があります。

そのような場合、学生さんは、一人で抱えずに学校の先生などに相談しましょう。

この記事で臨床実習への不安が少しでも解消出来ればと思うので、是非1つの意見として参考にしてみてください。

近年までの臨床実習の指導

僕は作業療法士としての経験年数は3年のひよっこですが、先輩・上司等の話や社会的な側面から解説します。

良くも悪くも厳しかった

リハビリの臨床実習って、結構体育会系のノリが強いんですよね。

インドア派からすると、常に眉間に皺寄せたくなります。

近年までは、

「やる気がないなら帰れ」

「自分で考えて行動しろ」

みたいなスタンスの指導者も多く、罵詈雑言浴びせられるなんて事も珍しく無かったようです。

ゆとりの僕は、そんな事言われたら帰りたくなります(笑)

ですが、当時の学生さん達は文句も言えず、ひたすら頑張ってやり抜くしかありませんでした。

この点に関しては本当に尊敬しますし、その分積極性は自然に身につくというのはよく分かります。

実習指導に疑問の声。改革の必要性が問われた事件

そのような臨床実習の体制が続いていましたが、時代の流れによってハラスメントが問題視される社会に変わってきます。

平成25年に、臨床実習のパワハラが元で理学療法学生が自殺する事件が起きました。

そして平成30年には、その事件に対して判決が下り、学校側に6,100万円の損害賠償が請求されました。

詳しくはこちら

これは、リハビリ社会の実習指導に対して疑問の声が上がり、社会的にも問題視されるキッカケになりました。

実習指導の体制は改革されている

前述した悲しい事件などが元で、リハビリの実習指導は改善を目指す方向に進んでいます。

ハラスメントに対して徹底

実習指導を途中でリタイアしてしまう一番の原因は、“ハラスメント”です。

セクハラ、パワハラ、モラハラなど…。

指導者と学生」という明確な上下関係がある事により、様々なハラスメントが起こり得ます。

最近は、実習前の学校側と実習施設側との会議にて実習体制の確認が行われます。

学校側から、ハラスメントに関しての注意喚起が行われる事が多くなっています。

ハラスメントは、行う方ではなく受け手の捉え方に依存します。

そのため、学校側だけでなく、実習施設側も職場内で学生に対してのハラスメントへの注意は徹底されています。

クリニカルクラークシップ(CCS)の導入

臨床実習の指導方法については、今まで指標となるものが経験則以外にありませんでした。

このクリニカルクラークシップ(以下CCS)は、養成教育としてのシステムと共に、実習指導の体制を整える役割も担うものです。

CCSは、従来の「見学型の臨床実習」とは異なります。

実際に学生も、医療チームの一員として参加し、実践的な臨床能力を身に付ける事が出来る「参加型の臨床実習」です。

分かりやすいイメージとしては、

指導者の助手的な立場で、一部の医療行為を行う事ができます。

この一部の医療行為とは、CCSで一定の範囲として定められているもので、学生や患者さんに負担が少ないレベルのものです。

ただ、これだけ聞くと、

「見学よりよっぽど大変そうなんだけど」

という意見になりますよね。

CCSは、学生教育として推奨されている事もあり、プロセスも含めてのシステムとなっています。

具体的には、

  1. 見学(手本を見せて解説し理解を深める)
  2. 模倣前期(一部分を学生に任せ、そばで教える)
  3. 模倣後期(できる部分をほめて、出来ない部分を指導。自立に近づけるよう援助する。)
  4. 実施(学生に一連を行なってもらい、見守りで可能なレベルまで達する。)

の流れに沿って指導を行なっていきます。

そのため、分からないままに治療をさせられる事が無く、ステップアップを踏みながら能力を身に付ける事が出来ます。

現在、このCCSを導入している養成学校が増えてきています。

実習施設側も、その流れに順じて院内で情報共有などを行なっています。

指導者研修制度の導入

さらには、実習指導者に対して研修制度が設けられるようになりました。

2020年の入学生の受け入れから、この研修を受講し認定されていないセラピストは、直接的な指導者として受け持つ事が出来ません

この研修では、臨床実習の指導方法などから、ハラスメントなどに関しての内容も含まれており、16時間に及ぶハードな研修となっています。

正直しんどそう…(笑)

そのため、指導者側もそれなりの準備を行なって実習指導に臨んでいるのが現状です。

実習生が気になるポイント

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結局、指導は優しいの?

ここまで、現在の動向を述べてきましたが、学生さんからすると結局どうなのかが重要ですよね。

結論を2つにまとめると、

・昔に比べると優しい

・とは言っても人それぞれ

ですね…(笑)

これだけ、時代が変わってきているにも関わらず、昔気質な指導や言動が目立つ指導者も残っています

「自分の時代はこういう指導だった」

というなんの根拠もない理由を堂々と口にするのも、このタイプの方々。

鼻で笑いそうになりますが、実習生がしたら中止になるので気をつけてくださいね。

それでも、そういった指導者は少数派です。

もし、そのような指導者に当たったと感じた場合は学校側に相談すればいいですよ。

実習生側が我慢してしまい、抱えきれなくなって中止というパターンが多いので、早めに周囲にSOSを出しましょう。

課題の量は?寝れないって聞くけど…。

これも大きな負担の原因。

課題が進まず、夜が明けるまでパソコンに向かう…なんて事もざらにあったようです。

正直、指導方法自体の改善に比べると、

課題で悩まされる実習生は未だに多いです。

しかし、この課題についても注目されてきており、養成学校から課題量に対して事前に注意がされる場合も増えています。

課題をこなすのが実習の本質ではない。

という側面から、課題量やレポートの質などは、実習生の負担の少ない範囲で行われる方向に進んでいます。

もし、課題が負担になっている場合は早めに手を打ちましょう。

睡眠不足が、臨床中の集中力の低下や、体調不良に繋がる事も多いです。

相談しやすい指導者であれば、直接伝えても問題ありませんし、それが難しければ学校側に相談しましょう。

休むのはNG?

体調不良に限らず、実習に行くのが嫌で休む実習生は少なくないと思います。

一指導者の個人的な意見になりますが、精神的に抱え込んでいたり、体調が悪いのに無理を続けてしまうよりも、休みを取って明日に備えてくれた方がありがたいです。

ただし、頻繁に休む事は【身体的、もしくは精神的に不安定な人間】という印象がついてしまう事は否めません。

休んでしまった事により、余計実習に行きづらくなってしまわないように、自分にとって休みが必要かどうかは少し考えてみましょう。

実習中止になる事はあるの?

正直に言うと、中止になる事はあります

平均すると、クラスの一人二人くらいは実習を中止になるんじゃないでしょうか?

ただ、基本的に実習施設側から中止にするパターンはほとんどありません。

実習生が、身体的・精神的に実習を継続する事が難しくなって中止になる事が多いです。

ほとんどの場合は、指導者側の能力不足だと思います。

「あの学生は、精神的に脆いからついてこれなかった。」

と言いますが、そのような学生と分かっていながら、学生に合わせた指導が行えてない時点で指導者の責任です。

ただし、実習を受ける立場として学生さんにも最低限の水準はあります。

時々とてつもないインパクトの学生さんと優しい指導者の組み合わせだと、指導者側がノイローゼで倒れそうな場面を見かけます(笑)

実習生が気をつけておくポイントは態度だけ

ここまで、基本的には指導者側の責任について述べてきましたが、実習生としての最低限守ってほしいポイントをご紹介します。

態度と言葉遣い

当たり前と言えばそうなんですが…

今まで経験した実例をいくつか紹介します。

  • 昼休憩に肌着になって、大きな声で喋りながら院内をウロウロ。
  • 臨床中、指導者がROMの方法を教えてくれている時に、下向いて爪を弄ってる。
  • 初対面の患者さんにいきなりタメ口。
  • ピアス付けて、真っ赤な肌着が実習着からチラリ。→一回帰らされてました。

そんな事普通しないだろ!というレベルの事を分かっていれば問題無いと思います(笑)

ただ、時々あるのが、関係が出来てきた患者さんと話す時に、砕けすぎてタメ口になってしまう事

気持ちは分かりますが、協力して頂いている立場ですし、それ以前に人生の先輩に当たる方々です。敬語は忘れずに関係を作りましょう。

この最低限の態度と言葉遣いが守れていれば、実習は通ると思います。

欲を言えば、質問をしたり事前知識を調べてきたりが望ましいですが…、

別に、自分に無理の無い範囲で出来る事をするだけで十分です。

無理に気負うことはありません。

まとめ

  1. 実習指導は、どんどん見直しが進んでいる。ハラスメントなどの面は考慮され、学生に負担が少なく、より教育として正しい方法(CCS)が定着しつつある。
  2. 実習生が不安な課題量や指導なども、実習施設側と学校側が協議している。もし、負担がある場合は相談するべき。
  3. 実習生は、最低限の態度を守って臨めばOK。実習の中でたくさん身に付けてくれれば問題無し。

いかがでしたでしょうか?

実習のせいで、作業療法士になる事が辛くなったりして欲しくありません。

実習を通して、より作業療法士に興味を持ってくれるような実習体制を作っていけるように学校側や実習施設は取り組んでいく必要があります。

これから、実習を控えている学生さんは、少しでも不安の解消に繋がれば幸いです。

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